top of page

話すときは広東語、書くときは英語——香港人の不思議な言語生活

  • Writer: ANDY CHUM アンディ チャム
    ANDY CHUM アンディ チャム
  • 6 days ago
  • 4 min read

香港は「英語が公用語の都市」として知られている。でも実際に香港の街を歩いてみると、飛び交っているのはほぼ広東語だ。では英語はどこで生きているのか? 香港生まれで現在は福岡在住の英語・広東語講師として、自分が育った街の言語環境を改めて振り返ってみたい。


香港は「英語が公用語の都市」として知られている。でも実際に香港の街を歩いてみると、飛び交っているのはほぼ広東語だ。

香港の英語、その実態

2021年の政府統計によると、香港で日常的に英語を使う人口はわずか4.6%にすぎない。一方、広東語を日常言語とする人は88.2%にのぼる。これを聞くと「え、公用語なのに?」と思う方も多いだろう。

実は香港の英語は「話す言葉」としてより「書く言葉」として機能している場面が多い。職場でのメール、企画書、プレゼン資料——そういった文書は英語で作成する。でも廊下でちょっと声をかけるときは広東語。会議室でも、参加者が全員広東語話者なら自然と広東語に切り替わる。「書いたら英語、話したら広東語」という二重構造が、香港のオフィスでは珍しくない日常なのだ。


イギリスの置き土産

1997年に中国への返還が行われてから約30年が経つ。しかし香港にはまだ、旧宗主国イギリスの痕跡がいたるところに残っている。

まず、街の道路名を見てみると面白い。クイーンズ・ロード(皇后大道)はビクトリア女王から、ヘネシー・ロード(軒尼詩道)は第8代総督の名前から、ネイザン・ロード(彌敦道)は第13代総督の名前からとられている。中国返還後も、これらの名前はそのまま使われ続けている。

法曹の世界はさらに印象的だ。香港の法廷では今でも弁護士と裁判官が白いカツラをかぶって法廷に立つ。バッハやモーツァルトが生きた時代の西洋貴族スタイルが、21世紀の東洋の都市でそのまま続いている。英語も法廷の主要言語として機能していて、植民地時代の慣習が司法の現場に色濃く残っている。

日常生活にも同じことが言える。乾杯のときは「Cheers!」、誕生日には「Happy Birthday!」と広東語訳を使わずそのまま英語で言うのが香港では自然だ。競馬観戦の文化やプレミアリーグ人気も、もとをたどればイギリスから持ち込まれたものだ。


英語とエリート意識

香港の英語事情を語るうえで外せないのが、英語と社会的地位の結びつきだ。


公務員には一定の英語力が求められ、上のポジションに行けばいくほど英語が不可欠になる。大学では広東語・中国語系の学部を除き、授業も事務書類も学内掲示も基本的に英語だ。学部長が外国人で広東語がまったくわからなくても、英語さえできれば問題ない。


高学歴エリート層に限って見ると、香港はほとんど「準英語圏」のような印象を受ける。香港で育った身として率直に言えば、「広東語しかできない」より「英語もできる」方が社会的に評価される空気が確かにあった。この意識は「重英輕中(英語重視・中国語軽視)」という言葉でも表現されており、返還後もなかなか変わっていない。


広東語の中に英語が溶け込む

面白いのは、英語が単独で使われるのではなく、広東語の中に自然に溶け込んでいる点だ。

「send email(メール送ってくれた?)」という表現を例にとろう。「メールを送る」の正式な広東語表現「發電郵」は存在する。でも日常会話でそれを使う人はほとんどいない。広東語で話しながら「send email」とそのまま英語で言うのが普通だ。「say sorry」「make sure」「in case」といった英語フレーズが、広東語の文章の中に何の違和感もなく入ってくる。


日本語にも英語の外来語は多いが、広東語における英語の混入は少し性質が違う。日本語の外来語は日本語の発音体系に合わせて変形されるが、香港の広東語では英語の形をほぼそのままに使う。広東語と英語の語順が似ていることも、この自然な混入を後押ししている。


香港英語という唯一無二の世界

こうして見てくると、香港の英語は単なる「外国語」ではなく、広東語文化と深く絡み合いながら独自の形に育ったものだということがわかる。話す場面・書く場面・ステータスの象徴・日常のフレーズ——それぞれ違う顔を持ちながら、香港という都市の中で共存している。



【自己紹介】

英語も広東語も、あなたの目的に合わせて徹底サポート!🎧✨

英語・広東語オンライン個別指導のプロ講師、Andyです!

(福岡在住/全国・海外から受講OK)


✅ 香港理工大学卒(QS世界大学ランキング65位)

✅ TESOL資格(英語教授法)あり

✅ IELTS/Cambridge英検対策歴10年以上

✅ 多くの生徒が高校・大学合格&留学を実現!


📍 元・石垣国際空港のグランドスタッフマネージャー

→ 空港英語・接客英語・ビジネス英語にも精通!


🗣 広東語レッスンも好評!

香港在住の日本人や海外の広東語学習者にも多数対応!


完全マンツーマンで目標に一直線!

まずはお気軽にemailください✉️



Comments


アンディチャム式 英会話 Andy Chum's English Conversation

オンライン英会話・広東語・日本語レッスン

bottom of page