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「標準英語アクセント」って、結局どれが正解なの?

  • Writer: ANDY CHUM アンディ チャム
    ANDY CHUM アンディ チャム
  • Jun 24
  • 3 min read

よく生徒さんから聞かれます。


「Andy、イギリス英語を勉強したいんですけど、BBCみたいな話し方って今でも通じますか?」


正直に言います。BBCの古いアクセントをそのまま目指すのは、ちょっと時代遅れです。

でも、だからといって「標準英語アクセント」が存在しないわけじゃない。今日は、発音コーチとしての視点から、これをちゃんと整理してみます。



アクセントは「地域」じゃなく「階級」から生まれた

日本人の多くは、英語のアクセント=地域の違い、と思っています。アメリカ南部なまり、ニューヨーク訛り、みたいなイメージですね。


でもイギリス英語の「標準」は、もともと地図じゃなく社会の縦軸から生まれました。

たとえば、ヨークシャー出身の上流階級とケント出身の上流階級が話すと、発音がよく似ている。でも同じヨークシャーの労働者階級とは全然違う。


つまり、どこで育ったかより、どんな教育を受けたかのほうが、アクセントに大きく影響したんです。これ、知っておくと英語の見え方がガラッと変わります。


RP(容認発音)とは何か

「標準英語アクセント」の話になると必ず出てくるのがRP(Received Pronunciationという言葉。


「Received」は古い英語で「認められた・受け入れられた」という意味。1920年代に音声学者のダニエル・ジョーンズが広め、その後BBCが放送基準として採用したことで一気に有名になりました。


これが「BBC英語」の起源です。


当時のBBC初代総局長はこう考えていました。「地域アクセントは一部のリスナーを遠ざけるかもしれない。標準的な発音なら、誰にでも届く」と。


なるほど、理屈はわかります。でも問題は、RPはもともとイートンやハロウといった超高級私立校出身の、ごく少数のエリートの話し方だったということ。


全員が目指すべき「中立的な標準」というより、特定の社会層の産物だったわけです。


今のRPは「古くさい」


これが重要なポイントです。

戦後、教育の機会が広がり、多くの人が「RP的な話し方」を身につけようとしました。同時に、若い世代は逆に「あえてRPを使わない」という方向にも動き始めた。


現代では、初期のBBC録音を聞くと「えっ、これ本当に英語?」というくらい古くさく聞こえます。あの話し方は今や、年配の俳優や放送関係者のごく一部に残るだけです。


じゃあ今の「標準」は何か


現在、俳優や放送業界で使われているのはNSEA(New Standard English Accent=新標準英語アクセント)と呼ばれるものです。


特徴をひと言で言うと、「どこの出身か、何歳か、どんな階級かを感じさせない英語」です。


デイヴィッド・テナント、ケネス・ブラナー、ジャネット・マクティア。こういった俳優たちが使っているアクセントがまさにそれです。


発音コーチとして言わせてもらうと、現代のイギリス英語を目指すならNSEAが最も実用的なゴールです。古典的なRPより自然で、でもしっかり「イギリス英語らしさ」がある。


日本人学習者へのメッセージ


「正しいイギリス英語を話したい」という気持ち、すごくわかります。でも「正しい」の定義は、時代とともに変わります。


大切なのはこの三つ:


① 目的を決める ― ビジネス、留学、演技、日常会話、それぞれで目指すアクセントは変わります。


② 「古いRP」を神話化しない ― あの話し方は歴史の産物です。現代ではむしろ不自然に聞こえることもある。


③ 発音は「完璧」より「伝わる」が先 ― アクセントはコミュニケーションのツール。磨くのは大事だけど、萎縮するためじゃない。


標準英語アクセントの歴史を知ると、発音学習の視野がぐっと広がります。単なる「マネする練習」から、「なぜこの音なのか」を理解した学習に変わる。


それが本当の上達への近道だと、私は思っています。


発音についてもっと深く学びたい方は、ぜひ一度レッスンに来てみてください。


― Andy Chum|英語&広東語プロ講師




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